多彩な働き方

藤枝市立総合病院のIVRとD&Iへの取り組み

 藤枝市立総合病院 IVR科 萩原真清
藤枝市立総合病院は、1950年に開設した地域密着型の市中病院です。
病床数は564床(ICU 8床、NICU 6床)、診療科は35科あり、常勤医が130名在籍しています。
「がんと救急に強い病院」を目指しており、静岡県中部の志太榛原二次医療圏で重要な役割を担っています。
病院外観
病院から見える風景(富士山と市街地、右端に駿河湾)
  
IVR科について
 IVR科は2021年4月に新設されました。2022年7月の現在は4名のIVR専門医がおり、緊急症例にも24時間体制で対応しています。
 各診療科と連携しながら、静岡県内では治療を行っている施設が少ない子宮筋腫に対するUAEや、血管奇形に対する塞栓術および硬化療法、2022年度からは心臓血管外科と協力して大動脈解離に対するステントグラフト内挿術も積極的に行っています。
 2021年度の症例数は静岡県内で2番目に多く(IVR症例Web登録より)、今後は静岡県中部のIVR中核病院になることを目標としています。
画像診断科・IVR科の集合写真
手技中風景
 
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取り組み
 当科のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取り組みについてご紹介します。
 五十嵐診療技術部長がイクボス宣言に掲げている通り、子育てしながら資格も取れる職場環境を目標にしています。育児中のスタッフが休職せず、家庭を大事にしながら仕事を継続できるよう、短時間勤務や自宅での遠隔読影などの勤務形態を積極的に導入しています。そして可能な範囲で多種のIVRにも参加することで、モチベーションとスキルの維持・向上につなげてもらっています。当院は乳がん診療にも力を入れており、当科と乳腺外科が連携してエコーガイド下針生検を行っているのですが、子育てのため週1日の短時間勤務中の女性医師が年間100件以上の検査を担当しています。
 現在は女性医師だけでなく、子育て中の男性医師も積極的に活用していますが、今後も各個人のニーズに合わせた勤務形態を取り入れていきたいと考えています。
男性スタッフ(鹿子医師)の育児風景
 当院はIVR学会の専門医修練認定施設で、県内に6施設、県中部では2施設しかないうちの1施設です。人材育成に力を入れており、研修医以外にもやる気がある方は所属科を問わず研修を受け入れています。IVRに興味がある救急科の医師が、週2日一緒に手技に入って研修した結果、2021年にIVR専門医試験に合格し、今では主力メンバーの1人として活躍しています。

 症例の相談は院内だけでなく、志太榛原地区以外の周辺地域からも広く受け付けており、患者の移動が困難な場合は、術者・指導医の派遣も行っています。
 当科ではD&Iとして以上のような取り組みを行っています。今後も、様々な状況に柔軟に対応していくことで、IVRの更なる普及と発展に繋がるようD&Iへの取り組みを続けていく所存です。

朝の富士山
蓮華寺池公園の藤