A:大きさ、形や原因(嚢状、紡錘状、解離性)、場所などによって分類されています。ここでは最も多い嚢状動脈瘤についてお話しします。小さなものは1-2 mmから大きなものは20-30mmを超えるものがあります。脳血管のある程度大きな場所に出来やすく、前方の脳血管に発生するものと、後方に発生するものに分けられています。
A:脳動脈瘤が破裂するとクモ膜下出血が起こります。脳の血管は脳を取り囲んだように走っています。青いプラスチックに入ったお豆腐を思ってください。プラスチックが頭蓋骨でお豆腐を脳とすると、お豆腐が入っている水が脳脊髄液という液体でその場所をクモ膜下腔と言います。脳の血管は水の中をお豆腐にくっついたように走っていますので、そこに出来た脳動脈瘤が破裂すると水の中に出血することとなります。それをクモ膜下出血と言います。
A:脳動脈瘤内に親動脈から流入する血流を遮断することを目的とした治療を行います。脳神経外科的に開頭し脳動脈瘤と親動脈の間をクリップで留める方法をネッククリップ術と言います。この方法はもっとも広く行われている方法です。もう一つの方法は脳神経血管内治療や脳血管内手術と言われるもので血管の中から細い管を脳動脈瘤の中に入れ、その管を通してプラチナで出来た柔らかいコイルを埋め込んでしまう方法です。これを塞栓術と言い、比較的新しい治療方法です。
A:開頭することなく治療を行えるので、脳やくも膜を傷つけることなく治療を行えます。その結果、治療が上手く行えた場合の身体的な回復が良好で、術後の痛みも少なくてすみます。短期間の観察においてはネッククリップ術と同等もしくはそれ以上の好結果が得られたという報告が数多く発表されています。
A:足の付け根の太い動脈(大腿動脈)に針を刺して、それを利用して比較的太いカテーテルを頸部の血管まで誘導します。そのカテーテルの中を通して細いカテーテルを頭蓋内の病変まで導き、その細いカテーテルの中を通してプラチナで出来ている非常に柔らかなコイルを脳動脈瘤の中に入れていきます。通常は全身麻酔下に治療は行われますので痛みはほとんどありません。