左:胸椎の骨折が見られ、非常に強い変形を来しています(矢印)。 右:骨セメントを注入しているところです。黒いところ(矢印)がセメントです。
A:骨折により不安定になった骨をセメントにより補強する事により痛みが軽減するといわれています。また、セメントが固まるときに熱(70度前後)を発しますが、その熱により神経を麻痺させる効果、セメントに含まれる成分による神経麻痺効果痛みを抑える理由と考えられています。
A:ほとんどの合併症はセメントが周囲に漏れる事によって起こります。 脊柱管という、脊髄が通る場所に漏れると麻痺やしびれ、痛みなどの神経症状が起こり、場合によっては手術で取り出さなければなりません。幸い、注意深く観察しながらセメントを注入すれば、症状が出るほどの量のセメントが漏れる事は非常に稀です。セメントが血管に入り、肺などにとんでしまう塞栓症も起こる可能性がありますが、やはり非常に稀です。整形外科の手術の際にセメントによると思われる急激な血圧低下などの全身症状が起こる事が数年前、新聞などでも話題になりました。体内に入ったセメントにより血管が拡張する事が原因と推察されていますが、はっきりした事は分かっていません。経皮的椎体形成術では手術で使用するよりはるかに少ない量(10分の1程度)で治療できますので、そういった副作用が起きる確率は低いと言われています。その他、感染、出血など針を刺す事自体による副作用が起こりえます。